パイオニアケイビングクラブ(PCC)の活動 


 

稲村岩洞窟探索

 2004年10月30日(日)、小雨。東京都西多摩郡奥多摩町日原にある稲村岩で洞穴探索を行う。
 2004年7月11日に日原鍾乳洞で調査ケイビングに行ったとき、地元の人が稲村岩の岩壁を指して「あそこに見えるのは洞窟ではないですかね」と言っていた。稲村岩全体から見れば下のほうの壁に確かに穴が開いている。しかもアプローチがかなりしんどそうな位置にある。
 でも、なんとしても入って見たい面構の穴である。なんとかアプローチの方法はないかと、今回、測量を行うことにした。
 現地に着いたとき既に小雨がパラついていたので、ねねんぼうからの観測と鷹ノ巣山登山道からの撮影のみで活動を終了した。測量道具は、クリノメータ、物差し、分度器、tan表、双眼鏡。
 まず、ねねんぼうから問題の穴を双眼鏡で覗く。上下に細長い洞口でハッキリした輪郭があり、中は真っ暗であったので、岩屋ではなく洞窟と確信する。その雰囲気は倉沢ににている。いやがうえにも期待が高まる。その右下の大岩壁にも3つほど穴が見られたが、鳥でもなければ近付けない位置にある。
 次にクリノメータで(1)稲村岩頂上、(2)洞窟の真上の尾根、(3)洞窟(洞口)の仰角を測った。
(1)は21.0度、(2)は14.0度、(3)は11.5度で、(2)(3)の方位はN96Wと測定された。高さを求めるには稲村岩までの距離が必要である。1/25000「武蔵日原」を拡大コピーして1/10000にした地図から距離を求めた。10000にすると1cmが100mになり距離を計算しやすいからだ。
 しかし、ねねんぼうがどこにあるか分からない。多分これだろうと比較的大きな建物記号(これは後に小学校の体育館であることが分かった)からの距離を測った。(1)は920m、(2)(3)は800mと測定された。
 仰角と距離が分かればtan表から高さが計算できる。ねねんぼうとの高度差は、(1)352m、(2)199m、(3)163mとなる。とすると、

・稲村岩頂上と洞窟直上の尾根の高度差は153m

・洞窟直上の尾根と洞窟との高度差は36mとなる。

 頂上と洞窟直上の尾根までの平均斜度は約50度と見えるが、頂上から洞窟直上に至る尾根はねねんぼう側に張り出しているので、実際の傾斜は45度ぐらいと見当をつけた。これらをもとに、頂上から洞窟直上に至る尾根の距離を計算すると

・尾根の距離=153×√2=216mとなった。

 この尾根はずっと樹林帯が続いているのでフリーで降りられる部分もあるかも知れないが、傾斜も高度差も大きいので全ルートにザイルを張るとすると、50mザイルが5本必要になる。洞窟直上の尾根から洞口に下るには更に50mザイルが必要なので、トータル6本のザイルが必要だ。
 あらためて稲村岩の大きさを感じた。この洞窟へのアタックは並大抵のものではない。このアプローチを短くするため裏側の沢から洞窟直上の尾根(以降:直上尾根と呼ぶ)に取り付くルートを調べてみる必要がある。
 洞窟のある壁の傾きを見るため鷹ノ巣山登山道を少し登った所から写真を撮った。その写真を家に帰ってからつぶさに検討したが、この位置からだと洞窟のある壁は見えず、その手前にある稲村岩正面の樹林帯が続いた尾根が写っているようだ。
 また、東基部にある沢(以降:東基部沢と呼ぶ)からの傾斜も左からの尾根に隠れて完全には見えない。というわけで、洞窟のある壁の傾斜は確認できずに第1次測量を終わった。

(小堀 記)  

 

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