パイオニアケイビングクラブ(PCC)の活動 


 

センドウギ沢の水穴/センドウギ沢左岸の穴/
センドウギ沢の尾根穴調査ケイビング/
センドウギ沢洞窟探索

 2003年7月19日(土)、曇り一時霧。埼玉県秩父郡大滝村(現秩父市)中津川支流のセンドウギ沢でセンドウギ沢の水穴調査ケイビング及びセンドウギ沢洞窟探索を行う。参加者は芦田、濱田の2名。
 今回の主目的は2003年6月7日に行ったセンドウギ沢洞窟探索により発見したセンドウギ沢の水穴の調査とその周辺での第二洞口探索の2点であったが、まずはセンドウギ沢出合いの滝をパスするためのルートの探索を行うことにした。
 中津川のセンドウギ沢出合いにある滝をフリーで昇降するのは不可能ではないが、けっこうな労力を要するうえに体が滝水でずぶ濡れになってしまう。帰りなら林道まですぐなので問題ないが、行きしなからずぶ濡れになってしまうのはあまりよろしくない。といって、滝の両側は断崖絶壁のため、滝を巻くこともままならない。
 そこで石舟沢沿いの作業道を登り、途中から尾根を越えてセンドウ沢に行くルートについて検討してみたところ、地形図で見る限りは可能性がありそうだった。また、途中までは石舟沢鍾乳洞に向かう作業道を歩くことになるので、センドウギ沢を遡行する労力も半減するのではないかという期待もあった。
 というわけで、石舟沢沿いの作業道を登り始めたが、どこから尾根に取りついたらよいかがよくわからない。とりあえず藤十郎沢出合いまで進み、そこから左岸側の尾根に取りついた。しかし、尾根の斜面は予想よりも険しく、直登するのは困難だった。結局、尾根の斜面を下流方向に移動しつつ登っていくことになった。そして、尾根すじに出てセンドウギ沢側に回りこむと、すぐに作業道を発見することができた。
 ちょうど尾根を越えた辺りからセンドウギ沢の右岸側斜面を上流方向に向かって続いていた。反対側は尾根すじを下っていているようだった。どこにたどり着くのかは不明だが、作業道である以上、どこかにつながっているはずである。その行き先については帰りに確認することにして、上流方向に向かうことにした。
 作業道は非常に荒れてはいたが、通過困難な場所もなくセンドウギ沢の上流まで到達することができた。斜面沿いを通っていた作業道が沢に達して消えた場所から約5分ほど遡行したところがセンドウギ沢の水穴からの枝沢が合流している地点であった。最初から作業道を通ってくれば、石舟沢鍾乳洞に行くのとたいして変わらない時間で来られそうだった。
 枝沢を少し登るとセンドウギ沢の水穴がある石灰岩の露岩である。洞口で流出する水を採取して水質その他を調査した。

 水温 9.9度
 pH 8.2
 電気伝導度 179μS/cm
 湧出量 180リットル/分

 以上のデータから判断すると、完全に石灰洞の湧水であるが、湧出量が少ないため、洞穴自体は小規模なものではないかと思われる。現状で約10mしか入洞できないのもやむを得ないかもしれない。
 一応、第二洞口の発見を目指して水穴周辺を探索するが、それらしきものは見つけられなかった。その後、センドウギ沢の水穴より比高で約100m、本流上流方向に石灰岩体が途切れるまでの間を探索したが、第二洞口を発見することはできなかった。また、顕著な石灰岩壁を確認することもできなかった。ただし、石灰岩の露岩は激しく溶食されていて、雰囲気だけは非常に怪しかった
 センドウギ沢の水穴に関しては手詰まりとなってしまったので、前回の探索で発見した左岸側の洞穴を地形図にプロットする作業を行うことにした。前回、地形図を携帯し忘れて車に戻ってから記憶を頼りにプロットしたため、正確な位置にプロットされていない可能性があったからである。しかし、結局、プロットした位置は正確で修正の必要はなかった。
 センドウギ沢左岸の穴からセンドウギ沢のクラック穴に向かう途中、前回の探索で見落としていた新洞穴を1本発見した。前回もその洞口自体は視認していたのだが、なぜか(疲労と時間切れのため?)洞口の先にある狭洞の奥をのぞかなかった。今回、その奥をのぞいたところ、先が続いていることが判明した。
 行き先は約15mくらいまでが横穴で、その先は斜洞だった。上に向かう方は約15mほど続いた後、土砂で塞がっており、下に向かう方は最初から半埋没状態であった。上方に向かう斜洞の途中には天井に支洞があり、その支洞は約5mほどで洞外に通じており、第二洞口となっていた。
 測線延長は約35mほどで二次生成物として、つらら石やカーテンなどもあった。特筆すべきことは、この新洞穴は前回の探索で発見した斜洞状縦穴──センドウギ沢の斜め穴の続きであるということである。位置的に見ると、斜め穴の底である埋没部の下が新洞の斜洞上部ということになる。その埋没距離は5m以内と推定される。ここをディギングして開ければ第三洞口となり、測線延長も50m以上になる。
 というわけで、この3つの洞穴群を「センドウギ沢の尾根穴第一洞〜第三洞」(センドウギ沢の斜め穴、センドウギ沢の残り穴、今回の新洞)と改名、命名することにした。
 標高1200mの尾根筋にある洞穴ではあるが、洞穴内の溶食状態から推定して、過去には水が大量に流入していたと思われる。また、洞内下層に向かう斜洞はディギング可能であり、下層部が延びる可能性も十分にある。今後の課題である。
 今回は時間の関係で、センドウギ沢のクラック穴の探検は行えなかった。この洞穴もまだ十分な探検を行っておらず、また、センドウギ沢の尾根穴と至近の距離にあるので、探検すると意外と延びるかもしれない。これについても今後の課題である。また、午後から発生した10m先も見えない霧のため、洞窟探索の方も今ひとつだった。
 帰途、行きしなに確認した作業道を利用して下山した。作業道は尾根すじをまっすぐに下り、石舟沢沿いの作業道の下の方で合流する。しかし、石舟沢作業道側からは分岐していることはまったくわからない。石舟沢にも橋が架かっておらず、そのまま渡渉することになる。
 なお、このルートを使えば、長栄橋からセンドウギ沢の水穴まで40分、センドウギ沢の尾根穴まで1時間半で到達する(センドウギ沢の水穴〜センドウギ沢の尾根穴間は道のない尾根を直登する)ことができる。

(芦田 記)  

 

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