パイオニアケイビングクラブ(PCC)の活動 


 

ニュージーランド洞窟旅行

 2002年12月20日(金)〜25日(水)まで、家族4名でニュージーランドへ行きました。その際、いくつかの洞窟を探勝してきました。以下その洞窟探勝他の報告です。

 夜成田発で、11時間のフライト後、翌朝オークランド空港に到着です。現地は初夏ですが、比較的涼しく日本の秋の雰囲気でした。
 空港で予約しておいたレンタカーを受け取り、早速ロトルアという地熱温泉地帯へ向かいました。着いてから知ったのですが、ニュージーランドは火山の上にある島で、いたるところに火口や温泉があります。ロトルアはカルデラ湖のほとりの町で、車で3時間ほど、箱根のような雰囲気です。町から少し離れたロッジで2泊し、火山地帯や自噴温泉、牧場などあちこち車で回りました。
 そのロッジには専用の桟橋があり、なんと、そこに水上飛行機が接岸しています。早速聞いてみると、火山遊覧飛行ですぐ乗れるとのことで、乗り込むと水面をゆれながら滑走して、急上昇していきます。小野さんのセスナを思い出しましたが、操縦はもっと過激で、火口の真上で急旋回して火口内部をよく見せてくれました。結構怖かったけど、空から見ると、地形や多くの温泉湖、自噴温泉など手に取るように見え、楽しめました。ただ同乗した母は気絶寸前でしたが。
 2泊後、今回のメインイベントのワイトモへ車で3時間ほどかけて移動しました。そこは石灰岩地帯にたくさんの牧場が広がっているのどかな村です。ここで『懸垂下降イン』という宿に1泊しました。
 洞窟地帯の中心に案内所があり、日本からインタネットで申し込んでいた「ロストワールド」ケイビングツアーへチェックインしました。このツアーは「商用で世界一番長いピッチ100mの懸垂下降が誰でもでき、失われた世界にたどり着ける」ことを売りにしているもので、所要時間が4時間のものです。
 前回、ハワイのケイビングツアーでは現地で参加者1名しかいなくてキャンセルされたため、今回もどうか心配でした。デスクで聞くと参加者は私1人でガイドが1人つくとのことで、実施してくれるとのことでホットしました。どうやら、もうひとつのブラックウォータラフティング(洞窟内の川をチューブをつけて下る)が人気で、こちらは少ないとのこと。
 14:30に案内所に集合で、つなぎ、ブーツ、装備は全部貸してくれるのですが、自分用にケービングスーツやバッグ、ライト、ヘルメットを持参し、ブーツと縦装は借りることにしました。ガイドのダニエルさんはブラッドピットのような好青年で、彼も参加者が私だけで驚いているとのこと。
 早速バスで15分の現地に向かいました。このバスは大阪の幼稚園用の送迎バスの中古で、派手な外装に漢字でいろいろかいてあり、ちょっと恥ずかしい感じでした。
 さて現地は、個人所有の牧場の中で、カルスト台地の起伏の中を進んでいくと、小高い丘の向こうに茂みがあり、その足元が大きく開口していて100m落ち込んでおり、底には地底の川が流れる音がしています。
 そばの東屋とコンテナで着替え、装備をつけました。装備はクライミングハーネスとラダー型のディッセンダ、カウズテールです。丘の斜面から、ガイドロープが張ってあり、必ずカウズテールで自分を確保しながら開口部の縁まで降りていきます。
 縁には穴の上まで小さなプラットホームがせり出しており、その先端まで行きます。そこから、下を見ろといわれて覗くと、100mのピッチが真下に続いています。思わず、体の一部がちぢむような感覚で、これはすごいとちょっと後悔しました。
 でも、ここまできたらやるしかないと心を決めて、プラットホームから乗り出して、そこに下がっている100mのロープの1つをディセンダにセットしてもらいました。自分でも手伝ったのですが、ロープの重いのに驚きます。何とかセットして身を乗り出してぶら下がり、確認後カウズテールをはずして降下を始めました。
 ロープは5、6本セットしてあり、隣のロープでダニエルさんが一緒に降りて、万一のとき用にスリングで私を確保してくれていて安心です。
 はじめはいつものように、下側のロープを少し持ち上げるようにして降下し始めましたが、20mくらいで重くて疲れてきそうでした。すると、見ていた彼が下のロープを片足に絡めておけば、その足を曲げると降下し、足を伸ばすとブレーキになると、教えてくれました。やって見ると具合よくコントロールでき、手もぜんぜん使わずに降りていけます。
 いい気になって少しスピードがついてきて、あせり、また聞いて見ると、さらにもう片方の足先を沿えてブロックすると良いとのこと。早速その通りにして、どんどん快適に降下していきます。
 さすがに長かったピッチも終わり、穴の底についたときはほっとするとともに、満足感でいっぱいでした。見上げて見ると、今降りてきた100mの縦穴の開口部がはるか上空に小さく見え、そこから明るい光の筋が差し込んできていて、今までで最高の景色でした。
 ロストワールドの地底はいつもの洞窟のようですが、横には地底の川がドウドウと流れていました。ガイドのダニエルさんと傍らの岩に腰掛け、彼がザックに入れて持ってきたチョコレートスナックとオレンジジュースをご馳走になりました。これがうまかった。これだけでも別世界の感じでした。
 休憩後、川沿いに上流に向かって歩き出します。感心したのは、数mの斜面でもガイドロープが張ってあり、必ずカウズテールを掛けるようになっていたことです。ガイド型のケイビングの参考になります。
 大きな崩落岩を乗り越しながら、15分ほど歩くと小ホールがあり、そこでライトを消すように言われました。海外でもライト消しをやるのかと思いきや、そこの天井に無数の星が光っています。それがグローワーム(土蛍)でした。しばらく時間が経つのも忘れて、感心して観ていました。
 そこがドライでいける終点で、その先はチューブで水に浸かってすすむブラックウォータラフティングのコースです。われわれはそこから引き返します。帰りは、別のホールで30mの鉄梯子をビレイしてもらいながら登り、後はガイドロープ付きの斜洞をどんどん登り、別の洞口から出洞しました。鉄梯子も結構怖かったのですが、ワイヤーラダーでなくて助かりました。出洞すると、もうのどかな牧場の雰囲気で、さっきの洞内が改めて別世界だと感じました。
 先ほどの東屋に戻り、装備を返してやっと落ち着き、ダニエルさんにはお礼に、持参したLEDのペンライトを贈りました。ずいぶん喜んでくれて、帰りに案内所でお返しのラダー型キーホルダをもらいました。
 結局2人で早かったので、3時間弱でツアーは終了でしたが、私としては大満足でした。ちなみに代金は180NZドル(1NZドルは70円位)でした。
 翌日朝早く、もう一つの目標、有名なグローワームケーブにも行きました。これは45分のツアーで、9:00にはもう20名ほど集まっていて、ガイドの女性がまず二次生成物が見事な洞窟を案内していき、その後、洞内の船着場から、みんなをアルミのボートに乗せて、真っ暗な川をロープ伝いに漂っていきます。静かにして、カメラも厳禁とのことで息を詰めていると、だんだん天井にグローワームの群れが星空のように光って見えてきます。
 前日、ロストワールドでも見ていたのですが、さすがに世界的に有名な洞窟だけあって、ここのものは夢のように綺麗にみえました。ガイドが真っ暗な中を船を言ったり来たりさせているので、どこにいるのかわからなくなり、一層幻想的でした。
 みんなため息をついていると、突然明るくなってきて、もう洞口で川のほとりの船着場が終着駅です。一気に夢から覚めた心地ですが、それもまた不思議な体験でした。

 以上、感覚的なレポートで済みませんが、機会があれば是非いってみてください。

(星野 記)  

 

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