パイオニアケイビングクラブ(PCC)の活動 


 

グヌン・ムル国立公園洞窟旅行

 2002年9月13日(金)〜21日(土)にかけて出かけたマレーシアサラワク州グヌン・ムル国立公園への洞窟旅行記であります。
 そもそも、小堀さんが行ってこられた、アイスランドでの火山洞の国際シンポに参加したかったのですが、休暇の確定が遅かったため、航空券が取れなかったのです。
 キャンセル待ちを続けましたが、ついに駄目、となったのが土曜日。翌週木曜日には自宅を出発したわけだから、我ながら切り替えが早かった。
 まったくの一人旅でアクシデントも頻発したけど、けっこう乗り切りました。自力対処は困難という局面では、なぜか、お利口そうな青少年とか、お調子の良い兄ちゃんとか、好色な親爺などがスルリと現れ、ぜ〜んぶ解決してくれるのであった。
 飲み代、ご飯代も、知らないうちに誰かが払ってくれているという、超モテモテぶり! どういうわけだ!! 日本でもこうあってほしいものだ!!
 ほぼ1週間、ずっと熱帯雨林のど真ん中に滞在したのですが、山や洞窟もさることながら、様々なジャングルの珍味が楽しめました。リバー・タートル(川亀、1mもあるとか)、煮込んだものが御飯に添えてあり、甲羅のとこがゼラチン質でたいへん美味! あとワイルド・ピッグ、牙があって毛むくじゃら、でかい、と言っていたからイノシシ? 森の部族は吹き矢で(!!)、フツーの人は銃で狩るんだそうで。ナマズなども洞内の水流にも棲んでましたが、これもなかなか。
 トレッキングしながら、野生の植物もいろいろ味見しました。茎の外皮を剥いて食べる、日本のイタドリみたいな酸っぱい草とか、人の丈くらいもあるショウガの仲間とか、バナナも採って剥こうとしたら、果液がセメダインのように粘着質で、手が大変な目にあいました。
 あと、約束してた洞窟ガイドが急な葬式だとかで来ない! という日があって、散歩かなんかでお茶を濁すのも口惜しいので、1人で行ってしまいました。あ、といっても、そうシビアな穴ではないし、入洞する旨は伝えたうえで、です。とはいえ、本当のソロ・ケイビングは初めてで、ものすごく緊張しました。心臓の音が聞こえましたね。無事出て来たときには、もうたいがい見慣れていたジャングルが、実に鮮やかに眼に映りました。
 ウツボカズラ茂る岩山登り、蚊柱のごときコウモリ大群の乱舞の観察、とうとうと水の流れる洞窟探検(これはちゃんと案内人付き)、夕暮れには川泳ぎ、洗濯兼ねる(注・着たまま)。ジャングル、ジャングル、とにかく毎日ジャングルで過ごしました。
 夜も森へ。とても音楽的で、樹の上で秋虫か小鳥のようにカエルが鳴くのです。葉っぱを敷いて地面に座って、ホタルを眺めながら、森の声を聴くという……、なんともロマンティックでしょう? 脇で助平親爺にかき口説かれてるんでなけりゃあ、もっとねえ……。
 帰ってきたら、庭のコスモスが咲いていました。秋か……。どこかでスリップしたような気分です。

 え〜〜、洞窟編です。
 ムルには、4年前、まだPCCでの活動にも参加してない頃、行ってるのです。その時は、「サラワク・チェンバー」「ラガン・ケイブ」「ドランケン・フォレスト」と3か所のファン・ケイビングをしました。それがあまりに楽しかったので、再訪と相成ったわけです。ま、1度知ってるところだから、この準備期間でなんとかなったといえましょう。

 9月13日(金)。
 朝便で成田を出発、クアラルンプールで乗り換え、夜遅くボルネオ島ミリ着。そこで1泊、超ボロ宿。いいの、寝るだけだから。

 9月14日(土)。
 15人くらいしか乗れない小型機で、ムルへ。
「ラングス・ケイブ」という観光洞を歩いた後、名物の蝙蝠大乱舞を見る。「ディア・ケイブ」という大洞窟から、夕暮れ時に群れなして現れるのですが、蚊柱のコウモリ版という感じですね。次から次へと幾群れも出てきては、螺旋を描きながら飛んで行く。そんな訳で「ディア・ケイブ」は、さすがに洞口手前200m位から、すでに悪臭ふんぷんです。小山さんだったら憤死するでしょう。
 夕食を摂りに行った店で、PCCの体験ケイビングに参加したSさん、Tさんに遭遇。他に女の子が2人御一緒でした。客の誰かの誕生会をやっていて、店中巻き込んでの大パーティー状態! 皆で踊ったりして楽しかった!!

 9月15日(日)〜17日(火)。
 2泊3日の山登り、「ピナクル」という石灰岩の岩山、上の方は鎖場の連続。針山のごとく林立するリムストーンの光景が見られます。17日は、名も無き小洞窟を覗いたりもしました。

 9月18日(水)。
 ガイドが葬式で反故になった日。行き付けになった飯屋のおやじが、気の毒がってとっておきの水泳スポットに連れてってくれました。
 午後は「レッサー・ケイブ」でソロ・ケイビング。TVの世界遺産でもちらりと紹介されてましたね。総延長は、4km弱。暗くなる前に出洞したかったので途中で引き返しましたが、後で聞くと、主洞の半分ちょっとまで行ったらしいです。全部廻ろうとすると、要SRTだそうな。大振りで、内部の鍾乳石も立派。洞口あたりは、もうめちゃくちゃ格好いい!

 9月19日(木)。
 メインエベント、「クリアウォーター・ケイブ・コネクション」「クリアウォーター・ケイブ」「ウィンド・ケイブ」という隣り合った洞窟があり、それぞれ一部は観光洞になっています。これがまた悪くなく、「ウィンド・ケイブ」の大ホールなどは、涙の出る造形で。「クリアウォーター・ケイブ」の方は、河です、河。蛇行する洞窟河川。まったく雰囲気の異なる穴ながら、奥で繋がっているのです。全長107kmだとか!!
「ウィンド・ケイブ」から入り「クリアウォーター・ケイブ」から出るというコース。連結部は、「秋芳洞・琴ケ淵へのほとんど登山ホール」を彷彿とさせます。ただし、規模はもっと大きい。
 美しい二次生成物と瓦礫の山を、えんやこらと交互に繰り返し、「クリアウォーター・ケイブ」に出たときには感動しました。綺麗な綺麗な水が、実に豊かに滔滔と流れているのです。ここで、赤ちゃんナマズも発見しました。浅いところを選んで、時には泳ぎながらジグザグに徒渉し、洞口ヘ。こういうルートだから、乾季にしかやれないそうです。
 この探検は、経費を安く上げるために(ガイド料と洞口までの船賃など)当日知り合った面々とシェアしたのですが、彼らのおかげで、しみじみと「わたしって、ケイバーだったんだ」と認識しました。
 だって、きゃつらは白いズボンは穿いてくる、揃いも揃って滑りのよさげな靴は履いてくる、何につけうろたえ、騒ぎまくる。別に難度の高い穴じゃあありません。所用5時間でしたが、出洞時には、彼ら口も利けなくなっていました。日本では、「待ってよう」「怖いよう」「落ちるよう」を連呼しないではおれないわたしですがねえ。もう素人さんじゃないんだ、と、ちょっと嬉しかったな〜。
 夕餉の後は、ナイト・トレッキング。最高。地元のおっさん(実はわたしより十も若かった)に、インドネシアン・マッサージなるものを施され、最後の夜を快眠。

 9月20日(金)。
 なんと、天候のため、小型機が飛ばない! すったもんだのあげく、1路線余分に乗り継いで帰路に就く。得したのかもしれない。

 9月21日(土)。
 朝、成田着。
 あ〜〜、よれよれ、ボロボロ。でも、また行きたいな〜〜……。誰か、行く?

(佐藤千晴 記)  

 

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