パイオニアケイビングクラブ(PCC)の活動 


 

神流川/広川原沢洞窟探索

 2001年12月9日(日)、埼玉県秩父郡大滝村(現秩父市)中津川神流川及び、その支流の広川原沢で洞窟探索を行う。参加者は芦田、星野の計2名。
 まず、中津川の神流川出合い周辺で車を降りて、対岸の石灰岩壁を観察したところ、装備なしで取りつけそうなところに1つ、ロープがないと取りつけないところに壁穴を2つを確認した。
 その後、さらに神流川沿いを移動しながら、沢筋、山の上方の岩壁を観察したところ、洞口っぽいものを3か所確認できたが、とりあえず、広川原沢の石灰岩帯に行くことにした。広川原沢の林道は工事中だったが、なんとか目的地までは車で行くことができた。この林道は最終的には群馬県多野郡上野村野栗沢の林道につながるらしい。
 広川原沢上流には石灰岩帯があることは地質図で判明していたが、石灰岩壁があることも「山と滝と花と鍾乳洞のご案内」の皆川さんの情報提供により事前にわかっていた。
 実際に行ってみると、石灰岩壁は林道脇にあり、わざわざ探すまでもなかった。岩壁自体はそれほど大きくはなかったが、巨大な洞口がすぐ目に入った。残念ながら奥は続いておらず、奥行き5mくらいで終わっていた。しかし、日当たりのよい南面なので、いいベースキャップにはなりそうだった。一応、「広川原沢左岸の岩屋」と命名する。
 その岩屋の左上にあるテラスに登ると、溶食形態が顕著な洞口があった。さっそく入洞してみると、総延長15m弱の洞穴であった。人が入洞した形跡はなかったので、「広川原沢左岸の小穴」と命名した。その後も付近で探索を続けたが、それ以上の成果をあげることはできなかった。
 午後からは神流川本流まで戻り、行きしなに確認した洞口っぽい場所を調べることにした。1つ目は林道より神流川対岸に見える岩陰っぽいものだった。近寄ってみると確かに洞口だったが、斜め下に続く埋没洞で入洞は不能だった。ディギングも困難そうで、洞穴として続く可能性は皆無だった。
 2つ目も神流川対岸にあったが、こちらは竪穴の洞口だった。入るとすぐにチムニーで、下は約3mほどで水面になっていた。天井付近のチムニーレベルは8mほどで入洞できなくなるが、水面沿いはもっと続いているようだった。しかし、下の方の洞幅が広く、チムニーでは降下することができない。そこで一旦出洞し、車からワイヤーラダーを持ってきてから降下することに決めた。
 2人で相談した結果、ワイヤーラダーを取りに行く前に付近で洞窟探索を行うことになった。芦田は石灰岩の溶食沢の上流に向かい、標高1100m付近で大きな石灰岩壁を確認したが、時間の関係で岩壁の探索は行えなかった。その間、星野はチムニー穴の洞口下方で見つけたディギング可能な超狭洞を開口する作業を続け、チムニー穴の水面レベルに出れるルートの開拓に成功した。
 しかし、このあたりから「新洞発見」ということが怪しくなってきた。ディギング作業により開口した洞口を匍匐前進で入洞すると、すぐに朽ちた木の柵があった。これが洞外からの土砂の流入をせき止めて、ただでさえ狭い洞口を半ば以上、土砂で埋める原因となっていた。
 さらに洞穴の行き先はなんとなく人工洞っぽい感じがする。なんとなく洞幅が均一、なんとなく洞床が平坦などなどである。どうも最初に発見した竪穴洞口は洞穴の天井が抜けて、開口したもののようである。しかし、洞内は人工洞っぽいのに洞口だけは異様に狭く自然洞っぽいままというのが今ひとつわからない。
 じつは結論を言うと、今回、この洞穴を探検していない。まず、やたらめったら洞壁や天井が崩れやすい。また、水面下の洞床には泥が深く堆積していて歩くのが非常に困難だった。さらに水深が想像以上に深そうだった。きちんとした装備と人手を用意してからアタックの方がよいということになったのである。一応、「神流川左岸の坑道穴」と命名した。
 その後、神流川沿いの河床面を歩き、数多くの溶食は確認した。洞窟かもしれないと思われたものも2つあったが、どちらもフリーで洞口に取り付くのが大変なので、今回は奥が続いているかどうか確認できなかった。
 夕方になり、最初に確認した3つめの洞口に向かった。ここがまた謎だった。この洞口の近くに岩陰っぽいのが見えていたが、そっちの方は坑道の入り口だった。洞の横断面が四角い形状だったので、これはもうまちがいなく坑道と判断できたのである。ただし、その奥行きは10mもあるかないかだった。なんのための坑道かは不明である。
 そして、そのすぐ隣に3つめの洞口があるのだが、洞口も洞内も一見する限りは自然洞である。不規則な形状、下り気味斜洞で、洞床には崩落岩塊が堆積している。しかし、行き先は10mくらい下で水没していた。洞口の位置が岩壁の上の方だったので、自然洞で水が溜まっているというのは不自然だった。
 結局、夕暮れで辺りが暗くなってしまったので、この3つめの洞穴が自然洞なのか人工洞なのかはわからずじまいだった。次回の課題である。一応、こちらの方も「神流川右岸の(坑道)穴」と命名した。
 今回の洞窟探索で神流川一帯には思った以上に石灰岩帯が広がっていることだけは、はっきりとした。また、謎の坑道のようなものが数多くあることも! なお、「続奥秩父」によると、この付近にある逆巻滝には黄金伝説があったらしい。昔、この付近で金が採掘されていたことを考えると、埋蔵金の隠し穴という夢のような可能性もある。次に「神流川左岸の坑道穴」にチャレンジするときは、ぜひ金属探知器も準備しておきたいと思う。
 というわけで、今回の洞窟探索は、新洞発見の成果があったようななかったような、なんとも言い難い状況だった。

(芦田 記)  

 

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