パイオニアケイビングクラブ(PCC)の活動 


 

矢弓沢第4次洞窟探索

 1998年11月29日(日)、群馬県多野郡上野村矢弓沢で第4次洞窟探索を行う。参加者は芦田、小堀、廣瀬の3名。
 前回の第3次矢弓沢洞窟探索で、矢弓沢洞がある石灰岩峰から尾根を隔てた東側にも石灰岩峰があることが確認された。そして、その視認した石灰岩峰は矢弓沢の支流、くぐねり沢の右岸側であることも判明した。
 地形図で確認すると、くぐねり沢付近に崖の印はないが、等高線が密になっている場所がある。その場所が矢弓沢洞と同じ標高なので、洞窟がある可能性が非常に高いということで、今回、洞窟探索を行うことにした。
 10時に、くぐねり沢の入り口、林道が直角にカーブしている標高905m付近に到着した。着替えをすませ、10時30分に車を出発。沢には作業道がついていて、5分ほどで石灰岩壁に到着した。沢の左右から石灰岩壁が始まり、沢の行き先も溶食された石灰岩の涸れ滝となっている。
 さっそく両側の岩壁を調査する。とくに左岸側は溶食が激しく、上方のテラスに洞口らしきものも見える。急斜面を登ってみると、洞口と見えたのは岩屋状の窪みで洞窟とは言えなかった。右岸上方にも穴が確認できたが、人間の入洞は不能であった。
 石灰岩の涸れ滝を登ると、沢の両側は切り立った石灰岩壁となり、沢の幅は狭まる。左右の岩壁とも壁のはるか上方に洞口らしきものが見えるが、アタックすることはできなかった。そのまま少し行くと左右の石灰岩壁がそれぞれ山側に回り込み始めた。とりあえず左岸側岩壁沿いに進んでいくことにする。
 すると、岩壁を斜めに走る摂理の下に洞口が現れた。入洞してみると、全長8mほどの洞窟で二次生成物も確認できた。摂理の上方にも洞口を確認できたが、やはり、そこまで登ることはできなかった。とりあえず、この洞窟を『くぐねり沢左岸の穴第一洞』(略称YK−L1)と命名した。
 そのまま石灰岩壁沿いに進んでいくと、全長3mほどの上方に貫通している洞窟が見つかった。二次生成物が確認できたので、これも『くぐねり沢左岸の穴第二洞』(略称YK−L2)と命名する。そのまま、石灰岩壁沿いに斜面を登っていくと、尾根すじに達する。尾根の反対側には岩壁はなく、緩やかな斜面が広がっていた。
 尾根沿いに上流に移動すると、もとの沢側に小規模な石灰岩の露岩があったので、その下に回り込んでみる。なんと尾根直下にもかかわらず、洞口が2つあった。さっそく入洞してみると、2つの洞口は中でつながっていて、行き先は下に向かっていた。そしで、狭洞部分が瓦礫で狭められていた。その瓦礫を排除すると、穴は下方に向かって、続いている。しかし、その先もディギングしなければ、入洞することができない。現在の全長は4mほどである。『くぐねり沢左岸の穴第三洞』(略称YK−L3)と命名する。
 付近の地形は縦穴が存在しそうなものであったが、今回はディギングは断念し、さらに上流に移動することにした。地形図では上流に崖のマークがあったからである。しかし、L3より上流では石灰岩が見当たらなくなる。地形図の崖も石灰岩壁ではなかった。そこで同標高のまま、右岸側に回り込むことにした。
 右岸側南面の石灰岩峰に取りつき、岩壁沿いに上方へ移動していくと、奥行き3mほどの洞窟が見つかった。ここは『くぐねり沢右岸の穴第一洞』(略称YK−R1)と命名する。この直下で昼食をとり、その後、石灰岩壁沿いに下へ移動していく。しかし、その岩壁沿いに穴は1本もなく、結局、もとの沢まで降りてしまう。
 沢を下流に少しだけ戻り、再び右岸側の斜面を登ると、北面側の石灰岩壁の前に出る。その岩壁沿いに東に移動していくと、洞口が瓦礫で塞がった穴を見つけた。その瓦礫を取り除くと奥行き7mほどの洞窟で二次生成物もあった。『くぐねり沢右岸の穴第二洞』(略称YK−R2)と命名する。
 さらに石灰岩壁沿いに進んでいき、尾根を越えると、突然、石灰岩が消えてしまう。しかたがないので、標高を下げて西へ戻り返す。途中、なめ状の石灰岩地帯が激しく溶食された場所に到達するが、洞窟は発見できなかった。そして、そのまま進んでいって、最初の沢に戻り、作業道沿いに車に戻った。時刻は15:10だった。
 今回、洞窟探索を行った沢の両側が石灰岩壁となっている付近は周辺の地形から判断して、巨大な洞窟の天井が落ちて谷を形成したのではないかと思われる。ミニ叶山という感じの場所である。沢の正式名称が不明なので、とりあえずは地形的特徴から石灰岩沢と呼称する。
 この後、着替えをせず、そのまま車で生犬穴直下まで移動した。生犬穴の上方にあるという3本の洞窟を確認するためである。15:30、車を出発し、生犬穴の洞口まで行く。生犬穴に入洞にするには上野村教育委員会の許可が必要で、今回は許可を受けていないので、入洞しなかった。
 生犬穴のすぐ左上にクラック状の洞口が見える。入洞してみると、奥行き10mほどの穴だった。そこかか石灰岩壁沿いに右へ上がっていくと、すぐ上の尾根付近に4mの洞窟があり、さらに上方の尾根付近に8mほどの洞窟があった。3本ともディギングで延びる可能性は低い。
 その後、石灰岩壁が切れるまで登り、尾根を越えて反対側の岩壁沿いに降りていった。しかし、洞窟は1つも発見できず、生犬穴の洞口に戻ってしまった。つまり、生犬穴は尾根の先端下部に開口しているわけである。
 尾根を越えるときに、沢の上流を双眼鏡でのぞいたところ、垂直の壁ではないが、広く石灰岩壁が広がっているのが確認できた。山が枯れていなければ、まったく確認できないくらい木がいっぱい生えていた。今後の洞窟探索の課題である。
 16:30、車に戻り、着替えをすませて、帰途についた。今回は翌日が月曜日で皆、仕事があるので、早く帰ることにした。そのため、『いきいきセンター』には寄らなかった。

(芦田 記)  

 

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