パイオニアケイビングクラブ(PCC)の活動 


 

三ノ木戸山第1次洞窟探索

 1998年11月14日(土)、東京都西多摩郡奥多摩町三ノ木戸山で第1次洞窟探索を行う。参加者は安形、芦田の2名。
 今回はパソコン通信のフォーラムで話題になった三ノ木戸山の洞窟を探索に出かけた。三ノ木戸山山頂と三ノ木戸集落の間、標高800〜1000mに間口3m、高さ2m、全長200mの洞窟があるという話を三ノ木戸集落で複数の人から聞いたいう。また、石尾根南面にはクライミングのフィールドとなる石灰岩壁もある。
 まず、三ノ木戸集落に向かう前に、今回、買い直した地形図に載っていた新しい林道が不老鍾乳洞付近を通っているので、そこまで車で進入できるかどうかを確認しにいった。林道は林業のために利用されているようだったが、不老集落の生活道路としても利用されているようで、充分に整備されていた。
 林道は標高790m付近で大きく右にカーブしながら不老鍾乳洞のある谷を横切っている。8時、そこに車を停めて、涸れ谷を下っていった。ところが、いくら行っても不老鍾乳洞が見当たらない。右岸側は断続的に石灰岩壁が続いていて、岩壁沿いに相当下の方まで降りてしまう。
 いくら何でも、こんなに標高の低いところにあるわけがないと、登り返しながら尾根を越えて隣の沢ものぞいてみるが、昔行った時と、ぜんぜん谷の雰囲気が違う。再び尾根を越えて、最初の谷に戻り、右岸側の石灰岩壁沿いに今度はじっくり確認しながら涸れ谷を登っていく。
 そして、林道の直下の石灰岩峰の下で、鉄梯子がかかった不老鍾乳洞の洞口を確認した。最初に谷に降りた所のすぐそばなので、なぜ見過ごしてしまったのか非常に疑問だった。今回は洞口の確認だけだったので、石灰岩壁の右側から急斜面を登って林道に上がり、10時に車に戻った。
 林道はまだ続いており、その終点は大沢の熊穴付近と思われる。その確認のため、車で林道終点まで向かう。林道終点は小さい広場になっていて、林業作業のため機材が置いてある。それらは東京農業大学の演習林設備のようであった。
 そこの広場から北に延びる尾根を少し行くと十二天と呼ばれる天狗の石像2体が祀られている場所に出る。その直下に大沢の熊穴があるはずであったが、石灰岩の溶食地形を確認しただけで、洞口を確認することはできなかった。もう少し下の方とも思えたが、三ノ木戸山で洞窟探索を行う時間がなくなるため、今回は確認を断念することにした。
 午後から車で三ノ木戸集落に向かった。13時に三ノ木戸集落に到着。道路の終点には相当数の車が停められる駐車スペースがあった。そこからは石尾根南面の石灰岩壁を望むことができる。昼食後、さっそく着替え、まずは三ノ木戸集落の下方にある小中沢沿いの石灰岩壁に向かうことにする。ところが、その途中、三ノ木戸集落の方に出会い、付近の洞窟情報をヒヤリングすることができた。
 まず、200mの洞窟に関しては知らないとのこと。知っている洞窟は2本で、1つはイワネ(クライマーが通っている石尾根南面のフィールド)と呼ぶ石灰岩壁に。もう1つは集落と三ノ木戸山の間にあるモミノキ付近に。あとは山向こうにも石灰岩体が広がっているとのこと。また、小中沢沿いの石灰岩壁には洞窟はないとのことだった。
 そこで小中沢の方は後回しにして、石尾根南面の石灰岩壁に行くことにした。14時、駐車場から少し道路を戻り、杉の植林の斜面を登っていく。一番右端の石灰岩壁にとりつき、壁沿いに西に移動していく。一旦、壁が途切れるが、すぐに石灰岩壁が現れる。そこに小さい洞窟があった。洞口付近の壁には二次生成物(カーテン)があり、冷気も感じられる。ただし、残念ながら人が入洞することはできない。
 そのまま壁沿いに西に向かう。地形図では2つの崖は合わせて300mほどである。実際、300mくらいで石灰岩壁は一旦途切れる。しかし、斜面には大量の石灰岩の転石があり、上方にまだ石灰岩体があることを示唆していた。斜面を上がっていくと予想どおり石灰岩壁が現れる。しかし、これは地形図には載っていない崖である。等高線が密になっているだけだった。
 再び石灰岩壁沿いに西に向かう。岩壁は三ノ木戸山の頂上に向かう感じでずっと続いている。石灰岩自体は激しく溶食されているが、洞窟は見つからない。結局、岩壁は頂上直下まで続いており、一番東からだと断続的に1000mも石灰岩壁が続いたことになる。
 今回は2人だけだったため、岩壁の下沿いに線の探索しかできなかったが、岩壁の上にはさらに別の石灰岩壁があるようで、大人数による面の探索が必要であることを実感した。もしかすると三ノ木戸山の北面まで石灰岩体が広がっている可能性も高い。
 16時、車に戻る。小中沢の探索は断念し、帰途についた。帰りは紅葉シーズンのため、道路が渋滞していて、帰宅はいつもよりも1時間よけいにかかった。
 今回は新洞こそ発見できなかったが、新人練習ケイビング向けの洞窟である不老鍾乳洞へ簡単に行けるルートを確認することができた。関東周辺では新人が気軽に練習ケイビングを行える洞窟が少なくなっているため、成果的には新人練習用の洞窟を発見したに等しい。
 新しいルートを利用して不老鍾乳洞へ行くには、不老林道を車で約15分ほど走り、標高760m付近で道路が西北西から南南西に90度曲がるところまでいく(奥多摩駅からでも30分かからない)。そのカーブ付近に車1台分、カーブの手前に数台分の駐車余地がある。そのカーブの谷側に太さ50cmくらいのモミノキと高さ1m弱の石灰岩がある。その石灰岩が不老鍾乳洞のある石灰岩峰の天辺に当たる。そして、その石灰岩峰の横の急斜面を降りていくと5分ほどで鉄梯子がかかった洞口に到着できる。ただし、実際に登った上から見て左側の斜面は非常に急で、降りるのは大変かもしれない。反対の右側斜面の方が木が生えていて降りやすいかもしれない。次回、行くときに確認するつもりである。

(芦田 記)  

 

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