パイオニアケイビングクラブ(PCC)の活動 


 

矢弓沢第2次洞窟探索

 1998年10月3日(土)、群馬県多野郡上野村神流川支流矢弓沢で第2次洞窟探索を行う。参加者は芦田、濱田の2名。
 今回は全山が石灰岩の皆戸(かいと)山北面にある岩壁地帯(石灰岩壁と推定される)が探索の目的地であった。標高的には若干高いが、中里村、上野村付近の洞窟は標高が高いところにあるものが多いため、充分に新洞窟発見の可能性があるはずということで洞窟探索を行うことにした。
 矢弓沢林道の890メートル付近にある造成地前で車を停め、10:00ちょうどに出発。造成地左の沢を下り、矢弓沢本流に出て少しだけ上流に遡行すると2つの沢の出合いにつく。皆戸山の北面にある岩壁地帯に向かうため、ここから本流をはずれ、右からくる枝沢に入る。
 枝沢には石灰岩の転石がところどころに見られる。右岸側からの支流を2本すぎて、枝沢が左に大きく曲がる付近に小さい石灰岩の岩頭があり、溶食形態を見せていた。
 さらに枝沢を上流に向かい、右岸側からの2つ目の支流(最初からなら4つ目)に入る。地形図によると、この支流の上流に最初の岩壁があるはずである。支流を登っていくと、石灰岩の転石が増えだし、水流は石灰岩の瓦礫から湧き出していた。
 そのまま大量の石灰岩の転石が散乱する斜面を登っていくと、左側の上方に石灰岩壁が見えてきた。すると、いきなり巨大な洞口が目前に出現した。11:30、着替えをすまして入洞を開始する。
 洞口幅約25メートル、高さ約15メートル。洞は右洞と左洞に別れ、左洞は斜め上方に続いている。洞口付近には石筍、石柱、カーテンなどの二次生成物がけっこう見られる。左洞の奥行きは約7メートルほど。右洞は天井付近に左右に続く洞が確認できるが、洞壁の傾斜が急すぎて、装備なしでは登攀できない。
 両洞合わせての測線延長は40メートルほどと推定される。この洞は石灰岩体内の空洞の洞壁が大きく崩れて、外とつながったもので、全体の形状から残存洞と思われる。そこで「皆戸山の残り穴」と命名した。また、付近には他にも測線延長5メートル以下の短い洞窟が2本あり、両洞ともやはり残存洞であった。
 この後、石灰岩壁沿いに西に移動していく。途中、人が入洞できないような小さい穴を何本も発見し、また、溶食形態が顕著な岩壁も確認したが、新洞窟を発見することはできなかった。
 地形図には3つの岩壁が載っていたが、実際にはそれ以上の数の石灰岩壁があった。基本的には岩壁の下をひととおり見て回ったが、東西500メートルという広大な範囲に2段、3段と岩壁が重なり合って存在するため、2人だけでは見落としがあったかもしれない。また、今回は皆戸山北面のみでの探索で、南面に関してはまったくの手つかずであった。これは次回の課題としたい。
 18:00に車に戻り、着替えをしていると、通りすがりのハンターの人に声をかけられので、活動の目的などを話した。その人はとくに新洞窟に関する情報は持っていなかったが、上野村にある温泉施設のことを教えてくれた。20時までの営業(業務?)時間で、100円で入浴ができるとのこと。
 さっそく行ってみることにした。場所は国道299号線を中里村に向かって走り、焼き肉センター手前を左折して旧道に入る。そのまま行くと、左側に僻地診療所があり、その隣りに「いこいの里」という老人集合住宅がある。その敷地内に「いきいきセンター」という総合福祉センターがある。看板もないし、名称からも連想できないが、そこが100円で入浴できる温泉施設である。新しくて非常にきれいで立派な施設である。まさに穴場で、地元の人しか行かない施設のようである。今回の洞窟探索での最大の成果はこの温泉施設を知ったことであるかもしれない。

(芦田 記)  

 

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