パイオニアケイビングクラブ(PCC)の活動 


 

冠岩沢第1次洞窟探索

 1998年9月19日(土)、埼玉県秩父郡荒川村(現秩父市)浦山川支流冠岩沢で洞窟探索を行う。参加者は芦田、小堀、廣瀬、山西の4名。
 今回、洞窟探索を行った冠岩沢は沢登りのガイドブックの遡行レポートに「石灰岩の壁がある」、「石灰岩の壁の下から水が湧いている」という記載があることから以前より興味をもっていたところであった。そして、半月前、廣瀬が沢登りで冠岩沢を遡行したとき、左岸側の岩壁下より流れてくる支流の水量が本流の沢の水量と同じであることを確認してきた。それで今回、洞窟探索を行うことになった。
 7:30に浦山ダム右岸駐車場に集合。朝食後、冠岩沢口に移動するが、冠岩の集落に向かう林道が先日の台風の影響で荒廃していて四駆でない車でのぼるのが困難になっていた。途中から四駆トラック1台だけで林道をのぼっていくことに。しかし、車止めまではすぐであった。車止めで着替えているとき山の上の方に大規模な石灰岩壁を遠望する。それが冠岩沢の石灰岩壁なのかどうかはわからなかった。
 9:15、車止めを出発。廃村になっている冠岩の集落を通り抜け、冠岩沢沿いの作業道を登っていく。途中で一時作業道を見失うが、再び作業道に戻る。出発してから20分後、石灰岩地帯にたどりつく。左岸側の岩壁下から多量の水が湧き出しているのが確認できた。約12メートルほどの斜め滝となって本流に注いでいて、水量は豆焼沢鍾乳洞よりも多く、秩父、奥多摩地域では最大の流出量ではないかと思われる。
 さっそく湧き出し口をのぞいてみると、石灰岩壁の左上から右下に走る摂理の一番下から水が流れ出していた。摂理にはチョックストーンなどが詰まっていて人間が入洞できる隙間はない。しかし、水量は本当に尋常ではない。とりあえず、他に洞口がないか周りを調べることにする。岩壁沿いに上流に向かう。岩壁には人の入洞でないような穴がいくつかある。また、壁の上の方にも洞口のようなものが確認できるが、壁がもろくて、そこまで登ることができない。小堀、廣瀬、山西の3人は岩壁の上のに回り込み、洞窟探索を行うが、洞窟を発見することはできなかった。
 芦田は最初の水穴に戻り、ディギング作業を開始することにした。まず、湧き出し口の一番下の瓦礫を排除して、水流の水位を下げ、作業をしやすくした。それからハンマー、タガネで、チョックストーンを砕き、摂理内から取り出した。さらに下側の母岩を砕き、摂理内に人間が入れるようにした。内部は大量の瓦礫で埋まっていたが、シャベルで簡単に崩すことができ、さらに水流部に崩して落とすと、水流の勢いで洞外にどんどん排出された。
 作業途中、岩壁の上から戻ってきた小堀、廣瀬と作業を交代した芦田は山西ともに対岸の上方に見えた露岩を調べに向かった。この露岩には特に怪しいところはなく、沢登りのガイドブックに載っていた石灰岩壁を探しに行くことにするが、上流にあるか下流にあるかが判然としない。どうするか悩んでいるときに小堀、廣瀬がディギング作業を中断して、山に登ってきた。水穴は2メートルくらいまでは入洞できるようになったが、それ以上のディギング作業は天井崩落の危険があるため、断念したとのこと。それなりの準備をしないと、それ以上は作業できない状態であった。とりあえず、この水穴を洞窟と認定し、『冠岩沢の水穴』と命名した。
 そして、全員で相談した結果、昼食をとってから下流にあった岩場を調べに行くことになった。そこには小さい滝もあったので水穴があるかもしれないということになったのである。しかし、現場に行き、岩場を調べたところ、石灰岩ではなかった。そこで再び上流に戻ることになった。冠岩沢の水穴より少し上流の右岸側に石灰岩峰の尾根を確認した。岩峰の左側を小堀、廣瀬組が、右側を芦田、山西組が調査し、尾根上で合流する。左側には3メートルほどの小穴が1本あり、小さいつらら石も確認できた。しかし、右側には何も発見できなかった。
 合流後、さらに上流に向かうが、対岸の岩壁に洞口のようなものが遠望でき、確認のため、いったん沢まで降り、再び左岸側の岩場まで登った。対岸から洞口に見えた穴は奥行き5メートルほどの岩屋で洞壁が黒くなっていたため、奥が深い穴に見えたようであった。一応、『漆黒の岩屋』と命名した。その後、右岸の石灰岩峰で小堀、廣瀬組が発見した3メートルほどの穴を全員で確認しに戻った。こちらのほうは『冠岩沢のつらら石穴』と命名した。
 車止めまで戻って、着替えながら最初に遠望した石灰岩壁を地図に確認したところ、冠岩沢の石灰岩壁ではなく、隣の鳥首沢の上流にあるものであることが判明した。冠岩沢の石灰岩壁よりもはるかに規模が大きいので、今後の洞窟探索の候補地としたい。帰りに浦山ダムのウォーターパークさくら湖に寄り、ダム施設を見学してから帰路についた。

(芦田 記)  

 

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