パイオニアケイビングクラブ(PCC)の活動 


 

北安家地域洞窟調査
 1985年8月3日(土)〜8日(木)。岩手県久慈市山根町上戸鎖(北安家地域)で探検、調査を行う。参加者は芦田、白幡、深田の3名。
 初日は昼ごろ安家に着き、『安家洞』を見学する。その後、徒歩で上戸鎖に向かい、夕方ごろ到着。              
 2日目は、まず上戸鎖の集落の裏山にあるドリーネの調査から始めることにした。ゆるやかな作業道を5分ほど歩いていくと、小さな石灰岩の露岩の横に直径15m、深さ10mぐらいの、水が流れこんでいる窪みに着く。そこが目的のドリーネだった。
 底の方から冷気が吹き上ってきていたので、期待しながら急斜面を降りていくと、一応、洞口らしきものが露岩の下にクレバス状に開口していた。しかし、3〜4m程で行き止まりになり、水流だけが泥と流木のすき間に流れ込んでいた。
 そこで、さっそく埋没部をディギングしてみることにしたが、巨大な流木が岩の間にはさまっていたため、その作業は困難をきわめた。しかし、その流木もノコギリとナタで切断することによって排除することができた。
 その結果、作業は大幅に進展したが、土砂が流入口に大量に流れ込み、水の流れを止めてしまった。そのため、水が逆流して流入口からあふれだし、ディギングどころではなくなってしまった。やむをえず作業を午前中で中断し、午後からは『わさらび洞』の調査、探検を行うことにした。
『わさらび洞』は、もとの『蝙蝠穴』の名称を地主の小野寺源二郎氏が観光化にあたり、改名したものである。洞口は上戸鎖から中戸鎖に通じる車道沿いにある露岩に開口している。
 資料によると1970年ごろ調査されており、測量の方もなされていて、総延長730mと記録されている。しかし、その時の図面は残されていない。地主の小野寺氏は、その後、別のグループによって測量されたものを保管されており、今回の調査では、その図面を参考にさせていただいた。
 この日の探検は、主洞と水流のある支洞を簡単に調査することにした。洞口付近は少し狭いが、すぐに小ホールとなる。その先は、いくつかの小ホールと狭洞部が連続し、やがて水流に至る。この地下川は10年前には存在していなかったという。その源流の支洞は参考にした測量図にも記載されていなかった。源流部の岩やゴミの隙間から外光を認められたので、そこは『水穴』の真下だと思われる。主洞は、すぐに左にほぼ直角に折れ、しばらく進むと今度は右に直角に曲がる。そこから一直線となり、50m程行くと大きなホールに至る。そこからはさらに数本の支洞が延びているが、中でも上方にあるものが最も長く、50m以上続いていた。この支洞の奥には石筍、石柱などの二次生成物が豊富に見られた。その先の狭洞もディギングしだいでは、大きく延びる可能性があると思われる。
 3日目は前日の続き、『わさらび洞』の最奥部の狭洞の突破を試みた。ディギングをしなければ、通れないと思われていたが、実際にアタックしてみるとギリギリで、どうにか通り抜けることができた。しばらくは狭洞が続くが、20m程で立って歩けるようになった。その付近には二次生成物が豊富に見られた。100m程行くと右に入る支洞があったが、20mぐらいで入洞困難になる。行き先が無数のつらら石でふさがれていたが、奥から風が吹いていた。主洞は、さらに50m程続いて、行き止まりになっている。しかし、綿密に調査したところ、左隅の小さな裂け目が行き止まりの壁の向こうに回り込んでいることが判明した。その先の主洞も立って歩けるが、今までと違って泥だらけで、二次生成物はまったく見られなかった。30m程で崩落、埋没していた。ディギング突破の可能性はあり!
 4日目は、『わさらび洞』における一つの仮説を確かめるための作業を行った。現在、『わさらび洞』に流入している『水穴』は10年前の『水穴』とは同じ穴ではないことは確認できていた。もし、地上の水の流れを昔の流入口の方に変えれば、『わさらび洞』内の地下水流が消失するのではないかと考え、その作業を行ってみた。その結果は予想通りで、洞内の水流は完全になくなってしまった。ついでに洞内の水流が流れ込んでいた支洞にアタックしてみたが、ゴミが大量につまっていて、入洞不能であった。
 5日目は中戸鎖まで足をのばして、『岩井窟』で、探検を行った。この洞窟はPCCにとっては、初めての大規模水穴であった。洞口からは普通の川なみの水が流れ出し、入口から5m付近は背も立たない深さで、泳いで行くしかない。地下川のところどころに河原(?)があるおかげで、なんとか奥に進むことができる。140m程入った地点で洞窟は完全に水没しており、それより先はスキューバ装備がないと入洞できない。
 最終日は『龍泉洞』と『龍泉新洞』の2つの観光洞を見学して、帰京した。

(芦田・深田 記)  

 

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